tikeda's blog

Flower, Plant, Travel, Design, My life stories

40代になったことと、最近の話

先週、平成最後の13日の金曜日という恐怖の日に40代に突入した。せっかくなので近況や心境をすんごい久しぶりにブログに書いた。ただの日記みたいなものだが、最近は自分の考えややっていることを整理する機会もないので

デザインアンドライフ社について

前職を退職してから去年4月に作ったデザインアンドライフ社(DAL社)も2018年3月決算で1年半近く経ち2期目に突入した。おかげさまで色々とやっている。「会社を作りました」的なことを言うと「起業したんですか?」と聞かれることもあるが意識的にはそういう感じではない。ずっと続けてきた事業会社のデザイナーをやめ、事業会社と一緒にデザインをはじめとする業務を一緒にするための法人。という感じ。なので、自分で作りたいサービスがあったり、何か大きな規模感で成し遂げたいことがあって会社を作ったわけではないと正直に書いておく。

というのも、自分自身ずっと事業会社で働いてきて、インターネットサービス作ることに対して外注するって選択肢はこれまでなくて(違った観点で外のデザイナーの力を借りることはもちろんあったものの)、会社に所属してコミットしていくということが正しいというか、成功するということを信じてやっている。ただ、スマートフォンが普及しプラットフォームも増え、アプリ等でビジネスする機会も増えたことや、IT業界以外でもインターネットサービスを作ることやIT技術を活用せざるを得ない場面が進んでいることにより、会社で採用するだけでは難しいというのは、最近の採用難事情を物語っていることでもあり「受託」とひとことで言っても色々な形が出てきて、そういう素晴らしい会社にも出会っている。 なので、自分自身が事業会社ではない、これまで選択肢になかった立場に立つと心境とかどう変わるかみたいなのを色々経験したかったというのが大きい。

最近の仕事内容や、やり方

これもよく聞かれることとして「コンサル的な仕事をいろいろやってるんですか?」ってのがあるのですが、コンサル的な仕事は今ほとんどやってなくて、メインは自分でアウトプットしていく事が多い。実際に週2日は予定をいれず手を動かすday、月曜と金曜の午後に主に打ち合わせに行くday。コンサル的な仕事をやる場合も期間を区切って何か具体的な目的を明確化する事が多い。というのもぼんやりするとお互いインプットアウトプットが出にくく徐々に難しくなるというのが1年で学んできた。働き方のスタイルを今の形に確立していったのもすぐにではもちろんない。1年間色々試してみて今の感じになっている。きっとこれからも変わる。

では、手を動かす仕事がどういうものかというと、新規事業系については最終的にユーザーに届く形のデザインをやる場合もある。が、チームになって複数のデザイナーでやる場合はディレクション中心にしたりもしている。また既存事業系についてはコンセプトモデルを作ってプレゼンテーションをすることが多い。ユーザーに届く部分まで提案したものになるケースもあれば、社内の事情や開発計画に乗っ取って異なる形でアウトプットされる場合もある。立場的には、最終的に社内で意思決定し適切な判断をして欲しいという気持ちもある。

で、面白いかと言うととても面白い。特に会社毎の事業ドメインについて知識やユーザーの行動について考えるわけでが、1事業会社だと1種類だが、色々なことをロールプレーできるのが面白いし、BtoBとかになると業務知識もかなり問われるのでその知識が身につく感じも楽しい。ただ、深さという点ではやはり劣ると思う。だから深さではない視点や価値を持つように心がけてはいる。

DAL社の関わり方

一緒に仕事をやる会社はIT以外の会社もあるが、IT企業でインターネットサービスを提供している事業会社が多い。「うち、デザインを外に出すこと考えてなかったからtikedaさんが初めてなんですよ」と言われることもあり光栄だ。その会社にとってよかったと思える結果は何かを真剣に想像しながら仕事を進める。これは外部から関わる立場で仕事をやっている人にとっては当たり前のことなんだろうけど自分にとっては未熟でもあり、新鮮な面もある。中にいるのと変わらないなと感じる部分も当然ある。 また、別のケースとして、話をするのは経営層やマネジメント層の方が多い。そういう方と意気投合しても、現場感として外部の人が関わることが否定的に感じられることもある。ただ、そんな時は持ち前の泥臭さで、業務知識を勉強したり、細かい事も含めて手を動かすようにしている。そうすることで距離が詰まっていくし歩み寄れる。こういった歩み寄るアプローチは前から変えていない。

なので、契約形態は請負契約ではなく準委任でやることがほとんどだ。これもありがたいことに1年以上ずっとご一緒してる会社も多い。納品して終わりというより、これやったらブラッシュアップして、グロースさせて、別のプロジェクトのこれやって、みたいなケースもある。

こういった仕事を通し、既存事業においては「中にいると歴史的経緯などで発想しにくいものをゴリっと動かすのは外の場合がいいケースもあるな」とか「人数が多くなってスピード感がでないところを割り切ってササっとプロダクトのイメージを沸かせる」のは有効だなとか自分が身を以て感じられる点が大きく変わった。そして、2017年9月からはトクバイ社の取締役もしている。受託会社をやりつつ事業会社もみてみると、これまでとの視野感が全然違うなとも感じられるようになったんじゃないかとも思う。

経営やマネジメントについて

最近はCXOやCDOと言われるように経営レイヤーにデザイナーを... といった話は多く、特に事業会社に勤めているデザイナーにおいてもこれまでとは違う働きができる可能性が広がったんだろうとか思う。自分の場合は、より多くのユーザーに自分のやってるサービスで影響を与えたい、また、そういう会社になるには自分はどうしたらいいか、みたいに考えゴリゴリ実行していたら、周りが自分を引き上げてくれた。という感じなので、経営やマネジメントを目指していたわけではない。ただ、そういった層と「いつも本気感を持って自分の専門性に対して会話をしていたこと」もう一点は「専門領域にこだわらず会社を幅広い視点で見ていたこと」この2面が大事だったようにも思うが、この辺はケースバイケースだと思うしあくまで自分の場合だ。 また、そういう立場になったあとに、食わず嫌いせずに新しいことを始めたり、勉強したりは欠かしていない。

ちなみに、そのひとつにゴルフもあるw。ゴルフなんて環境はこれまで無縁の世界で生きてきた。勧められ始めたら周りの誘いもあり下手くそながら結構続いている。自分との戦い感が強く言い訳できないスポーツなところが特に好きだ。

話を戻すと、私個人の意見としてはいいサービスがアウトプットされていたらそれでよいと思うし、呼称よりも、会社全体の大事な意思決定の場に参加し、意見や票を持つ事がとても大事にな事かなとか思っている。実際に今の仕事でも「決めていただけるのがありがたい」的なことを言われることもあり、そういう癖がついてる。

過去の経験と新しいスタート

案の定、長くなって息切れしてきたのでそろそろ終わるw。自分は新しい事を始める時には、リセットして考えたり、むしろ過去を否定し壊していく選択肢を取ることも多い。ただ、40という年齢は若手ではないので、そんなやんちゃな事も言ってられない。ちゃんとやってきたことに自信も持ちつつ経験を活かし、伝え、ちゃんと何か残していくことにも意識を向けないといけないなという風にも思ってはいる。

DAL社ではスタッフはいないが、業務委託で何名の方かにはご協力いただいており感謝している。ビジョンやミッションを抱えてるわけでもないので、個人の域を超えていないとも思っているし、そこは超えていかないといけない壁なのか、超えたいと思っているのか今後も考えていきたい。とはいえ、同じ価値観や考えを持った人と同じ目標を持って仕事に取り組むことがモチベーションになるのは前も今も変わらない。そういう機会をこれからも多く作りたい。

ということで、次いつ書くかわからないが、また気が向いたら書く

さよなら、2015年

クリスマスから年末年始、オレゴン州ポートランドに来て一人で過ごしている。特に何かするわけでもなく町歩き、飲み食べ歩き、気が向いたらホテルに戻って作業する。そんな日々。こっちはまだ30日だけど日本は大晦日もう少ししたら2016年を迎えることになりそう。ブログも年一回の更新だけれども、去年も振り返ったことだし今年も振り返ろう。

仕事

今年は1月から新しい範囲の仕事をさせていただき、それに対してもがきながらも自分なりに実行をしていった年だった。デザイナーという職種と役職をどう掛け算していき成果をだすか、新しい範囲と言いながらもデザイナーだからこそできることはなんだという点は難しいし来年もできれば取り組んでみたい。事業会社においてあまり前例のないことだけに自分なりの成果をだしていくことに引き続きこだわり続ける。

酒・料理

ビールをよく飲んだ。一人の時間は大体飲んでた。昨年同様、飲みながら焼き鳥もよく食べたけど蕎麦もよく食べた。日本酒や焼酎も好きだけどやっぱりビールが好きだと思う。それはそうと、そろそろ年齢的に休肝日を本格的に作って絞んないといけないのは分かってる。また、料理もそれなりにした。とはいっても男っぽいことをしていた。週末につまみ作ったり、素材にお金かけてパエリア作ったり、変なこだわりでしかやっぱり作れてはいないのでもう少しサラッといろんな物をそれなりに作れるようになりたい。

息子

2人で色々なところにいった。茨城の水族館や山梨への温泉などの遠出もしたが、どんどん大きくなってきたので一緒にやれることも増える。それにしても、自分に似たのかどうなのかわからないが、今は絵を描いたり塗り絵をするのが大好きなので一緒にやれて楽しい。でも、自分は子供のころそんなに好きだったかというとそうでもないからわからないが色々やって欲しい。で、二人で泊まりに行くのに躊躇したりしてるので来年はこれをどう克服するか頑張りたい。

プライベート

写真を見返してみても息子とどこかに行ったか、お酒飲んでたかぐらいしかない。が、よく考えれば自転車を修理して走ったり、会社の縁でゴルフ始めてみたり、釣りにいったり、前よりも体を動かすことが増えた気がする。(そのうち2つは息子の影響だけど)が、去年のを見返すと今年はプールにあまり通えてなかった。来年は頑張りたい。とはいえ、全体的にデスクにぴったり付いてるみたいなことから少し離れているような気もした。この辺りはとても大事なことな気もするので来年は継続していきたい。

読書・インプット

バクマン。 モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書) 世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 トップIT企業のPMとして就職する方法

とにかく、新しい仕事領域の本をひたすら買いあさって読んだ。まだまだ全然足りないけど。。もちろんインターネット関連の書籍やデザイン系など専門領域の書籍も色々と読んだ。その辺りだと川上さんの本は流石に面白かったなー。あと久しぶりにいくつか漫画を読んだ。小説は数本だけにとどまった。去年も書いた通りビジネス書はKindleで読まないが漫画、小説はほぼKindleになった。 去年は情報量のコントロールをして減らしたが、今年は色々と情報をインプットしつつも、自分の脳内で適切に処理するような意識をした。Twitterもある程度みたし、ニュースなどの購読も増やした。世の中の動きや知っておかないといけないことが多すぎるのでこれらをどうマネージするかを意識したが、まだベストプラクティスはない。

総評

とにかく色々やったような気はするけど、振り返ってもいまいち今年はこーだったみたいな実感があまりない。で、明日の飛行機で日本に帰国するが、ポートランド時間の昼に飛び立ち、日本に到着すると元旦夕方。日の入りと日の出を味わうことがないので年越しの瞬間が存在せず、今年の思いを反映したのかという感じで、2015年の延長として2016年がそっと存在することになる。まー気持ち的にそういう気分なのでちょうどよい感じで2016年のスタートを切る。

さよなら 2014年

大晦日だし、今年を少し振り返る。

出張

スペインに2回、アメリカに1回。それぞれ長い滞在だったので夏はほとんど日本での思い出がない。色々な経験を通してとても成長する機会になったと思うし、今後の自分へも影響しそうなとても大きな出来事だったと思う。それに海外への障壁が圧倒的に下がった。これまで海外旅行したことなくて仕事でしか海外行った事ないので、今度は自分が行きたいと思った場所に行ってみたい。

焼き鳥

相変わらずよく食べた。焼き鳥は食べながら何かできるのでよい。ここのところ仕事でも他の人と話す時間が長いし、家でもなかなか1人の時間を確保できないので、1日の終わりに本を読んだり人の話を聞いたりしながらリセットするこういう時間がすごく大事だとあらためて思う。最近店が固定化してきたので開拓したい。

息子

息子と2人でよくでかけた。箱根や伊豆に旅行したり、公園遠征したり、プールに行ったり。普段あまり会えない分、会うときはとことん話して遊んでコミュニケーションをとるようにした。これからもこういう関係は維持したい。

植物栽培

全然満足いった活動ができなかった。新しい品種の仕入れや交配なんかも全然やっていない。それでも3年前に交配させたイカリソウが花をつけたのはよかった。それに庭で育ててるイカリソウヤマアジサイは毎年ちゃんと花を咲かせてくれていていい感じ。

植物観賞

今年はあまり見に行けなかった。唯一桜は色々見た。桜の季節はテンションあがって室内にいるのはもったいないといつも思う。来年はもっと珍しい品種を見に行きたい。あと、高原や湿地帯に野生の山野草を見に行きたい。特にサンカヨウを見てみたい。

家族

1月に娘が産まれた。元気に育っている。あと、2つ年下の妹がついに結婚をした。

読書

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)  ―私たちの働き方とマネジメント ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法 あと1%だけ、やってみよう 私の仕事哲学

小説じゃなくて珍しくビジネス書をそれなりに読んだ。中でも印象に残ってるのはやっぱり今年の後半に読んだものだけど。ビジネス書ではKindleを思ったより使わなかった。パラパラめくりつつざーっと読み進めるようなスタイルの方がなんとなく向いてる。

やめた事

6月頃からTwitterやめて、FacebookもほとんどUnfollowして、ブラウザはユーザースタイルでタイムライン消して周りの事をなるべく気にせずに集中できるようにした。生活が凄いシンプルになったし電車の中の時間も有効活用できるようになった。

はじめた事

健康を少し意識するようになった。健康診断はここ数年で1番よかったように思うけど油断ならない。たまに近くのプールで泳ぐようにしているのをこれからも継続したい。

総評

2013年は終始「スマートフォンのためのUIデザイン」を書き上げるのが大変だった気がするけど、2014年はやはり海外の印象が強い。自分の領域に固執せずに新しい事を色々とやった年だった気がする。来年もますますその勢いでやっていきたい。

実生からイカリソウの開花

Advent Calendar 2013で書いたように、3年前にイカリソウの人工交配をしたのですが、今年はそろそろ花をつけてくれてもいい頃だと思っていたけど見事に奇麗な花を咲かせてくれた。

母親は白花イカリソウ、父親は羽衣。母親のように色が白いのは見ての通りだが、どことなく父親のような十字の形を譲っているように思う。株が若いのでそう見えるだけかもしれないけど。ちなみに親株も以下のように、地植えで元気に育っている。(上が白花イカリソウで下が羽衣)

やっぱり実生での開花は特別なものがある。この株が開花したあとに、他のポット2つも花がついた。来年はもう少し大きな鉢に植え替えたい。これからの成長が楽しみだ。今年のイカリソウのシーズンも佳境に入ってきたが結局今年も交配はできなかった。来年こそはまたチャレンジしてみたい。

花の下にて春死なむ

桜の季節が去ってしまったので、今年の桜の写真をまとめておく。この季節はどんなに忙しくて帰りが遅くても、どんなに酔っぱらって眠くても、必ず遠回りして桜を見に行っていた。

で、北森鴻を読み返したくなる。来年は今年以上の種類の桜を見て回りたい!

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

桜宵 (講談社文庫)

桜宵 (講談社文庫)

京都へ行って来た

京都に行ってきた。プライベートな時間で行くのは2年ぶりくらいかな。

iroiro

京都タワーを見ると京都に来た気持ちになるけど、個人的には東京タワー(古い方)の方が好きだ。金曜夜はたまたま前の会社でお世話になった方の慰労会 があり、声をかけていただいたのでお邪魔した。寄りたいお店(iroiro)があったので立ち寄って一杯やって向かったがいいお店だった。また行きたい。

2日目は大好きな散歩コースだった、一乗寺出町柳周辺を散策した。

詩仙堂 入口
詩仙堂 庭園
珍遊のチャーシュー麺

京都の庭はたくさん訪れたけど、詩仙堂は庭はもちろん、坂沿い立地や庭に向かうまでの入口の道も含めて好きだ。畳に座って庭を眺めていると、時折聴こえてくる鹿威しの音が心に響く。いつかこんな部屋で本を呼んで暮らしてみたい。 叡電の線路を詩仙堂と反対方向に歩けば、思い出の場所のひとつでもある恵文社がある。増築されていたようで、前に行った頃より敷地が広がっていた。特にギャラリースペースの場所が変わっていて、さらに時間をかけて楽しんでられる場所になっていた。 恵文社での立ち読みの合間に、珍遊で京都ラーメンを食べ、また立ち読みに戻る。とは言えきりがないので電車で出町柳に戻った。

宝泉

出町柳に戻って鴨川のデルタ地帯を越えれば、下鴨神社。背の高い木々に粒の細かい砂利道を歩くと音も空気も気持ちよい。広い敷地を歩いてると足が疲れてくる頃。少し頑張って下鴨神社の北にある宝泉まで歩き、抹茶と和菓子に疲れが吹き飛ぶ。

三条から鴨川を眺める
百練

出町柳から三条に戻るともう夕方近い。鴨川沿いを歩き河原町あたりをブラブラし、四条の大衆酒場で気心知れた人達と食事をしていると夜もふけた。

翌日、今日は帰るので近場にしようと思って、京都駅から奈良線に乗って東福寺近辺に行く。

東福寺 方丈庭園

東福寺は京都駅から近いのと、個性豊かな庭園が周辺に多い。今の季節よりも初夏に行くのが特に良い。方丈庭園だけでなく、桔梗の庭である天得院、重森三玲が作った虹の苔寺とも呼ばれる庭園も風情があっておすすめ。

京都タワーからの長め

最後は京都タワーにのぼって締めくくった。しっかり休みをとりたかったので、生活圏から抜け出してよかった。

植物の楽しみ方とイカリソウ自慢

これは、私が衝動的に企画したAdvent Calendar 2013「我が家の植物自慢」24日め(実質3日目)のエントリーです。 まず、本題の前に、私は植物が好きです。「どんなところがいいの?」とよく聞かれるのですが、基本的に花の咲いた植物は買いません。そして多年草(複数年咲く)です。なぜなら、植物の状態変化が好きだからです。種から発芽し、葉や茎は成長し、莟を付けて花を咲かす。花はやがて枯れ、発芽を待つ。このサイクルの中の変化のタイミングが一番の楽しみなのです。特に実生から育てた苗が奇麗な花を咲かせた瞬間には特別な気持ちになります。

さて、前置きはこのくらいにして、私は約7種類のイカリソウを育てています。イカリソウは春に咲く多年草です。距(キョ)のある特徴的なその花の姿が船を港に停めておくための「錨」に似ている事からその名前が付けられたそうです。山野草なので森林に生えているのを観察するのもよし、園芸品を買って育てるのもよし、今夜はセイなる夜ですが、バイアグラなど精力剤としての効果もあり薬用としても使われるそうです。

アクミナータ

色々な花の種類があるため、種類を集めて育てることも楽しみですが、楽しみ方の1つに人間の手を使って受粉させられる点があります。イカリソウは自家受粉ではなく他家受粉であるため、他の個体の花粉により受粉をする必要があります。そのため、イカリソウの花からおしべを取り出し、別の種類のイカリソウのめしべにピンセットなどで人工的にくっ付けて受粉を促してあげるのです。例えば、自分の好みで黄色の花と白い丸い花をくっつけることで、新しい種類を生み出せるかもしれないというわけです。

ルフレ

植物のサイクルを自然任せにするのではなく、受粉という植物にとって大切なこの行為に、人間である自分が自らが介入するという面白さがあり、何だか少しタブーをおかしているようなそんな不思議な感覚がします。

ルブラム
実生苗3年目

受粉させた上の写真の苗はついに来年の春で4年目を迎え、そろそろ花を咲かせてくれてもいい頃です。ということで、来年の春には世界に1つしかない花を咲かせてくれるのを待ち望みつつ、明日に迫ったクリスマスを過ごしたいと思います。

が、明日は21:00からはschooに登場予定です。植物の話をすることはないと思いますが、もしお時間ある方はインターネットで会えると嬉しいです。http://schoo.jp/class/344

メリークリスマス♪

「熱帯植物と多肉植物の素材集」

植物の写真素材付きの本「熱帯植物と多肉植物の素材集」をいただきました。

熱帯植物と多肉植物の素材集【DVD付き】

熱帯植物と多肉植物の素材集【DVD付き】

植物は、自然物(園芸種はそうとも言えませんが)ですし、特定のイメージがつきにくいため、視覚的な要素を想起するのが難しいようなデザインをする場合、とても扱いやすい素材のひとつです。また、様々な形状や色を持ち合わせているため、媒体やレイアウトに適したものを選びやすいとも言えます。 中でも、この本で取り扱われている「熱帯植物」はビビットな色彩でダイナミックな形状が特徴だと感じます。また、「多肉植物」は水々しい柔組織と幾何学化された形状が特徴で、いずれも個性的です。こういった点をデザインに活かすとより効果的になるように思います。

最近ではデザイン素材がついた素材集はたくさん出ているのですが、この本のユニークな特徴の1つに、素材集というタイトルがついていながら図鑑的な役割を果たしてもいる点があげられます。よくある素材集であれば、本はイメージのための足がかりにしかならないのですが、この本では素材として扱われている植物の名前や簡単な説明が書かれているため、例えばデザインの提案をする際に、花の名前やどうしてその花を選んだのかの裏付けを添えることもできます。 また、気に入った植物があれば花屋で手に入れて育てられるのも嬉しい点です。私も色んな植物を育てていますが、なんとなく育てていたエアープランツの正式名称をこの本を通して知ることができました。

という感じで、なんか文章が固くなりましたが、眺めてるだけで楽しめます!

「スマートフォンのためのUIデザイン」執筆後記

先日、「スマートフォンのためのUIデザイン」を執筆したことについて書きましたが、3月30日の発売以来色々な方に手に取っていただき、ご感想も多数いただいております。ありがとうございます。このような機会をいただけることも多くないと思うので、少し執筆の舞台裏を書いておきます。

執筆は休日に「武蔵野プレイス」で

執筆期間は半年弱かかっていますが、執筆のほとんどは休日でした。自宅以外の方が捗るため、場所を探していたのですが、自宅から比較的近い武蔵境に「武蔵野プレイス」という居心地のよい素敵な図書館があることが分かりました。期間中、ほとんどの休日をここで過ごしました。図書館といっても特徴的です。

  • ドリンクなどの持ち込みができる
  • カフェがあるのでコーヒーや食事がとれる
  • 無線がある(FREESPOT
    • 結構切れるのでネットを使った本格業務は無理なレベル
  • 電源のあるワーキングデスクがある(有料)
    • 午前、午後、夜の区分に分かれ、それぞれ400円で利用可能

少し都会から離れますがご興味ある方是非足を運んでみてください。

大事な通勤時間

普段は働いているので時間を有効活用しないととてもじゃないと進みません。そのために色んなものを削ってシンプルな生活をしていましたが、特に通勤時間はとても大事な時間でした。僕の場合、会社まで片道1時間かかります。そこで執筆中は通勤の電車の中で3つの事をやっていました。

  • イデアを考える
    • デスクに向かったからってスラスラ書ける訳はないので、特に執筆前半は各UI項目に関するアイデアを電車の中で練って、それをEvernoteにメモって、それを元に原稿にしていました。
  • 事例を探す
    • 色んなサービスやアプリを使い必要なUIを探しスクリーンショットを撮ります。時には後で見返すと何の画面だったのか分からなくもなりましたが、事例のほとんどは通勤時間で探したと思います。
  • 校正
    • 場所を変えて気分が変わっているので、客観的に文章を見る事ができます。特に執筆後半はスケジュールも厳しくなり、通勤時間の校正が重要な時間でした。

夜中にやる作業

仕事のあとはヘトヘトなので平日はほとんど進みませんでした。原稿は書けなくても何かやれそうな時は、お絵描きというか図を描く時間として割り当てていました。画面内のワイヤフレームや説明図をIllustratorで描いていたので、予めラフがあれば、オペレーションだけであまり疲れません。

早いアップデートサイクルへの対応

執筆を開始してしばらくしてiOSが5から6にバージョンアップしました。ガイドラインの巻末の更新履歴には書かれていないところにも多少手が入っていたためUIに関するところのアップデート内容の確認は大変でした。また、画面サイズの変更もあったためスクリーンショットもほとんどが撮り直しです。スマートフォン業界自体変化が激しく、UIの変化も速いです。普遍的な内容が中心ではありますが、事例として取り上げていたサービスで、使っていたはずのUIコンポーネントがリニューアルされてなくなっていて、締め切り間近の差し替えも意外と多かったです。

執筆を通して興味が湧いたこと

本を書くために新しい知識を身につける必要もありましたが、色々と調べていく中で執筆に直接必要なくとも面白そうな領域とすれ違うこともあり興味の幅が広がりました。本書を読んでいただいた方は分かると思いますが、特に「メタファー」「クリエイティブと原則」「記号論・認識論」などがあげられます。それらに関する書籍を会社の人に教えてもらったので興味がある方はのぞいてみてください。

文章を書くこと

僕は文章を書くことに不得意に感じてます。特にデザイナーの方で僕と同じように、文章で説明したり、ドキュメントを書くことを得意と思っていない人も多いと思います。ただ、今回の執筆を通して、文章を書くことも、対象ユーザーのことを考え、分かりやすく整理して物事を表現するという点で、デザインと同じようなことだと再認識しました。今後も、自分の考え方やデザインについて誰かに伝える能力も、育みたいと思います。

「スマートフォンのためのUIデザイン」を執筆しました

UIデザインの入門書「スマートフォンのためのUIデザイン ユーザー体験に大切なルールとパターン」を執筆させて頂き、3月30日に発売になりました。ユーザーが見慣れて使い慣れたUIをルール(デザインガイドライン)や、UIコンポーネント毎のパターンにすることで、分かりやすく使いやすくできるのではないかという考え、iPhoneAndroidスマートフォンサイトとプラットフォームを越えUIデザインを捉えて解説しています。

UIデザインやスマートフォンのサービス開発に興味を持っている人や、仕事をしてみたいと思っている方の気持ちの後押しや原動力になればいいという思いもあり、用語もなるべく専門的な言葉を用いずに専門的な知識がなくても読み進めることができるようにしているつもりです。そのため、デザイナーやエンジニア、ディレクターをはじめ様々な方に目を通しやすい本になればと思って書かせていただきました。

本編の主軸となるUIコンポーネントは、合計で約38種類に分けて書いています。

  • タブ型ナビゲーション
  • ドリルダウン
  • ドロップダウン ...

このように「ナビゲーション」に分類されたUIコンポーネントを紹介した上で、

  • スタンダードパターン
  • ボトム配置パターン(タブバー)
  • アンダーラインパターン
  • スクローラブルパターン
  • 垂直配置パターン

例えば「タブ型ナビゲーション」であれば、このようにパターン化し、それぞれの特徴や利用シーンを説明しています。私の経験を元にした考え方だけではなく、各プラットフォームのデザインガイドラインや一般的な内容など客観的な視点も含んでいます。また、「画面の種類」「遷移の種類」や、インタラクションするUI要素以外の「アイコン」「ビジュアルスタイル」など様々な軸で分類し、言葉も定義しているのが特徴です。パターンを知ることでデザイナーにとってはアイデアの引き出しを増やすという価値がありますが、幅広い意味では1つの方法論ともいえます。特にサービス開発において、UIは職種を越えた共通言語だとも思いますのでコミュニケーションツールとしても役立ててもらいたいという思いもあります。

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また、本編以外にも関連する実践的な内容や世の中の事例、私の考え方を10個程度のコラムにしていますので、息抜きしつつ理解を深めるのに役に立ててもらえるかと思います。

もちろん、本の中では私が実際に仕事で取り組んでいる「クックパッド」での事例も何度も出てきます。そして、「クックパッド」ではデザイナーやエンジニアを積極採用中です! 本の内容に共感して頂いた方はもちろん、「私ならこう考える」と自分の考えを持った方も、興味をお持ちの方は以下のページからご応募お待ちしております。

採用情報 | クックパッド株式会社

最後に、本書を書くにあたりよりわかりやすい本にするため、多くのユーザーに利用されている信頼感のあるサービスをはじめ、さまざまな素晴らしいスマートフォンアプリやスマートフォンサイトを引用させていただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。