tikeda's blog

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「AV機器の表示用語及び図記号」勉強会


最近社内では、パソコンの利用だけを想定したページだけではなく、スマートフォンや携帯用ページなどデバイスを越えてデザインをする機会がとても増えており、社内の各チームに所属するデザイナーは、それぞれアイコンや絵文字など利用する機会がもちろん増えるのですが、デジタルカメラやオーディオ機器など、工業製品でよく利用されるアイコンは、ハードウェア、時代、メーカーの枠組みを越えて一部標準化が行われています。その内容がどういう物で、どんな具体例があるかといった勉強会を先日社内で行いましたので、少し書いておきます。

例えば、チューリップのアイコンを見れば「マクロ撮影」という感覚はカメラを使った事がある人であれば何となく分かっている人が多くいるように思います。仮に自分の仕事に置き換えると「クローズアップのアイコン作って!」と頼まれた場合「虫眼鏡とかでなんか一部が拡大されてる感じで..?」みたいにどうしても説明的で複雑に考えがちな気がします。ただ、実際に利用されている物は、代表的な撮影対象をシンプルに描いただけで非常に汎用性高そうな物で、これはチューリップであろうが、向日葵であろうが、幅広く、そして長年統一してきたことで認識させている良い例だと感じます。

また、アイコンは利用される際にアイコン単体で用いられている為に、国際化されているとも言えます。ウェブの場合、アイコン+テキストなんていうフォーマットのデザインもしばしば用いられる為、国際化する場合、大変という経験もあります。

この標準化については、具体的なアイコン例だけでなく使用方法や新しく創作する際の注意点なんかも記述がされており、目のついた部分をいくつか引用してみます。

  • 図記号や図記号の要素を組み合わせて新たな図記号原形を作る場合、それぞれの図記号や図記号の要素の意味が新たな図記号にも継承されなければならない
  • 図記号原形の線幅は2mmとする。例外として視覚的な明瞭性を確保するために線幅が2mmと4mmの組合せを用いてもよい
  • 角は丸くしてもよい
  • 閉じられた領域は塗りつぶしてもよい
  • 交差する線は切断してもよい
  • 通常は図記号原形で規定した方向でつかう。ただし、意味が変わらなければいかなる方向で表示してもよい
  • 図記号創作時留意点
    • 図記号化することに必然性と意義があること
    • すでに同一意義で異なる形状の図記号が規格化されていないこと
    • 登録商標などの中に類似のマーク類がないこと
    • 関連する機能の図記号と整合性が保たれること
    • 国際的な普遍性のある図記号であること


インターネット上でも使い続けられ、浸透し始めてるアイコンも身近にあり、今後もそういう物が増える事で利用者にとっても作り手にとっても便利になるように思います。

このような形で実際の例を元に統一の大切さや、この事例を社内でどういう事ができ、柔軟性と統一感のほどよい事ができるかといった内容の勉強会でした。今回紹介した資料は「社団法人 電子情報技術産業協会」のページでオンライン上で見る事ができます(PDF)ので、興味のある方は見ると面白いと思います。
JEITA / JEITA規格・AV電子機器部門(表示・用語・図記号関係)

ただ、実際のところ、この標準化がメーカーなどプロダクトデザイナーの間でどのような形で浸透されていてどういう利用や印象を持たれているのか、直接聞いた事はありません。「実際はこういう感じなんですよ」「おかげで便利なんですよ」「リリース時の審査が厳しくて」「よくわからん」みたいな事を聞いてみたいです。
あと、\17,000でCD-ROM付きで手に入るようですが、購入した場合、例えば図記号のaiデータがもらえたりするのでしょうか?と、2005年から更新されてませんがどういう感じで反映を行うのかってのも気になりました。