tikeda's blog

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「●●とデザイン」受講を終えて

去年の春から多摩美術大学の社会人向け講座「●●とデザイン」を1年間位かけて受講していました。講義は毎回「ビジネスとデザイン」「音とデザイン」「独自の文化とデザイン」といったようにあるテーマとデザインという形式でテーマを変えて進みますが、それぞれ、佐藤可士和さん、ヲノサトルさん、コシノジュンコさん、のように第一線のデザイナーを招いての講義でした。普段の専門分野から一歩離れてデザインを見つめるよい機会となったのですが、テーマのなかに「禅とデザイン」「仏壇とデザイン」といったように普段デザインという観点で直視しないジャンルの講義も多く、身の回りの暮らしにはこんなにデザインが考えられ、囲まれて暮らしているんだと改めて感じるいい機会でした。

たくさんの興味深い点はありますが、2つの印象深かった点を書いておくことにします。

●●の部分の専門性

受講を通して面白かったのは、●●の部分の専門性のように思いました。例えばプロダクトや造形物での素材や制作行程の話だったり、印刷にまつわる技術の話、時代背景や文化や宗教による表現、といったような、その分野では決して欠かす事のできない、深い知識が必ずあり、そこにこそ多くの時間をかけられているように思います。最近、サービス開発において技術的な領域にどう踏み込むかに悩む機会が多く自分なりにきちっと整理できてませんでしたが、今回の講座を終えて少し明確になったような気がしています。

デザインと芸術

デザインの講座ではありましたが、芸術的なアプローチも多かったです。そんな中、ヲノサトルさんの言葉で「アートは創作欲や趣味思考を展開して作品に表現し、デザインは伝達すべき内容や実現すべき結果から逆算して必要な表現を探求する」という表現がシンプルで気に入ったのですが、講師の方の多くがその2つのアプローチを自然に交差しながら話していたように感じ、創作欲とのバランスの中、制作している姿を垣間みる事ができたように思います。

最後にもう1つ。だんだん誰かに面と向かって何かを教わる機会も減ってきて、そういう機会を作りたいという気持ちで受けてみましたが、受講されてる方は、僕の親の年齢位の方が多く、いつまでたっても現状に満足する事無く、何か一生かけて続けているような、そんな「姿勢」も得たように思います。

多摩美術大学 生涯学習センター|講座を探す - 連続講座 「●●とデザイン」〈前期〉