「未来の学び」をデザインする
- 作者: 美馬のゆり,山内祐平
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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所謂デザイン書籍とは異なる本でしたが面白かったです。この本の中でいうデザインとは、組織やグループの成長にかかわり、学びの環境を作っていくかを模索している人の事を指しており、広い意味での環境デザイナーと言えると思います。
全体の構成は、まず学びとは何だという事を踏まえて3つの学びの要素を紹介し、最後にこの本の核である学びをどうデザインするかがまとめられています。以下が3つの学びの要素です。
空間
黒板があり先生がその前にいて、机が規則的に並べられ生徒が座るという古風な教室風な環境とは異なるユニークな学習環境や学習のプロセス、また学びの場と社会との繋がりや関係などに触れています。
活動
実際にどういった事を学びの題材とするのか、そこから学習者は何を得て、どう変化していくかが、モノづくりという課題から具体的に書かれています。
共同体
学ぶ事とは、一人で行うものではなく、そこには複数の人とかかわっていることとなど、共同体の中での学びについてが書かれていました。自分にとってはこの章は少々難しかったです。。
どの章も様々なリアルなストーリーが盛り込まれておりとても興味深い内容でした。特にプレゼンテーションを中心にした授業やモチーフを大勢で囲んだデッサンの場など自分が経験してきた美術大学での学習方法も多数取り上げられており、改めてその意味や重要性について触れる事ができた気がします。